味を確かめる:濃淡・甘みと苦み・厚みと薄さ
審評の五つの因子の中で、味の重みは最も高く、散茶で約 30%、緊圧茶で約 35% を占めます。つまるところ、お茶は飲むためのものです。けれども一口のお茶が口の中にとどまるのはほんの数秒。その姿を言葉にするには、決まった順序が必要です。
味わい方
- 温度:茶湯が 50°C 前後に冷めてから飲みます。熱すぎると舌がしびれて細部が分かりません。
- 量:一口、スプーン一杯ほどで十分です。ごくごく飲むと、かえって何も感じられません。
- 茶湯を一回りさせる:口に含み、舌を使って茶湯を舌先、舌の表面、舌の両脇、舌の奥に触れさせ、2~3 秒とどめます。
- 飲み込むか吐き出す:飲み込んだら喉と回甘を感じます。たくさんのお茶を比べるときは吐き出しても構いません。
- 十数秒待つ:大切な感覚(回甘、生津、喉韻)の多くは、飲み込んだ後に現れます。
味の表現のしかた
四つの面に分けて考えることができます。
| 面 | 自分に問いかけること | よく使う言葉 |
|---|---|---|
| 濃淡 | 味は強いか? | 濃、濃強、醇、淡、平淡 |
| 味覚 | 甘み、苦み、渋み、酸味はそれぞれどのくらいか? | 甘い、苦い、渋い、回甘 |
| 厚み | 茶湯に重みがあるか? | 厚い、豊か、薄い、水っぽい |
| 調和 | いろいろな味がなじんでいるか? | 醇和、醇厚、粗い、雑 |
表現するときは大きなことから小さなことへ。まず濃淡、次に甘み・苦み・渋み、次に厚み、最後に調和と余韻。たとえば「濃強、苦みははっきりしているがすぐにほどけ、湯は厚く、回甘が長く続く」というのは、とても完成度の高い味の表現です。
「厚」とは
厚みとは茶湯の重みの感覚のことです。同じ一口のスープでも、澄んだスープと長時間煮込んだスープでは、口の中の重さが違いますね。厚い茶湯は口に含むと豊かで中身が詰まっていて、飲み込んだ後も口の中に何かが残ります。その反対が「薄」で、水のように感じられ、すぐに消えてしまいます。
厚と濃は違います。濃は味の強さ、厚は質感と重みです。とても濃いのに薄いお茶(苦渋みは強いのに、中身がない)もあれば、濃くはないのに厚いお茶(味はやわらかいのに、湯に重みがある)もあります。茶好きの多くは、後者のほうが何煎も飽きずに飲めると考えています。口当たりの詳細は口当たり:厚み・なめらかさ・とろみをご覧ください。
「醇」とは
醇(じゅん)とは、味が調和して刺激がない感覚のことです。苦み、渋み、甘みが一つにとけ合い、どれか一つが突出することなく、飲むとまろやかです。審評でよく見る関連語は二つあります。
- 醇和:濃すぎず薄すぎず、やわらかく調和していること。熟茶や、変化の中期にある生茶によく使われます。
- 醇厚:醇和より重みがあり、やわらかくて豊かなこと。
新しい生茶はたいてい醇とは表現しません。苦渋みとフレッシュさがまだはっきりしているからで、「濃強」「鮮爽」がよく使われます。年数を重ねるにつれ、生茶は少しずつ醇へと向かいます。それぞれの言葉の違いは醇和・醇厚・濃強・鮮爽・甜潤にまとめています。
苦み・渋み・甘みの見分け方
この三つがプーアル茶の主な味覚です。
- 苦み:「味」の一つで、主に舌の表面や舌の奥で感じます。ブラックコーヒーやゴーヤのような味です。お茶の苦みは主にカフェインなどの成分によるものです。
- 渋み:「触感」の一つで、口の中の表面が収斂し、引き締まり、乾く感覚です。熟していない柿をかじったときや、濃い赤ワインを飲んだときのような感じです。お茶の渋みは主に、茶ポリフェノールがたんぱく質と結びつく収斂作用によるものです。
- 甘み:口に含んだときからある甘みや、飲み込んだ後に返ってくる甘み(回甘)。
見分けるコツは、苦みは舌の上にとどまり、渋みは舌と両頬を乾かして口の中が引っ張られるように感じさせること。一口飲み終わって口が乾き、舌がしぶしぶするなら渋み。舌の奥に苦い味が残るなら苦みです。二つの詳細は苦みと渋み:別々の二つのものをご覧ください。
よい味とはどんなもの?
お茶の種類によって理想の姿は違いますが、共通点がいくつかあります。
- 苦渋みはゼロではないけれど、数秒でほどけて甘みに変わる。
- 茶湯に重みがあり、すぐに消えない。
- いろいろな味が調和していて、変な味がない。
- 飲み込んだ後に回甘と生津があり、口の中が心地よい。
たとえば新しい生茶の理想は、濃強で鮮爽、苦渋みがすぐにほどけること。熟茶は醇厚で甘く潤い、なめらかなこと。熟成した生茶は醇和で厚く、熟成香を帯びていることです。
味を左右するのはお茶だけではない
同じお茶でも、淹れ方が違えば味は大きく変わります。湯温が高く浸出が長ければ苦渋みは強くなり、茶葉が少なければ湯は薄くなります。ですからお茶を比べるときは必ず条件をそろえましょう。審評の方法は審評の標準手順をご覧ください。普段淹れて苦くなりすぎるときは苦すぎる・渋すぎるときはをご覧ください。
よくある質問
味の表現のしかたは? 濃淡、甘み・苦み・渋みのバランス、茶湯の厚み、最後に調和と回甘の順に言葉にします。たとえば「濃強、苦みはすぐほどけ、湯は厚く、回甘が長く続く」。
「厚」とは? 茶湯の重みの感覚で、口に含むと豊かで、飲み込んだ後も残るものです。「濃」とは違い、濃は味の強さを表します。
「醇」とは? 苦み・渋み・甘みがとけ合い、刺激がなく、まろやかに調和していること。醇和はやわらかめ、醇厚はより豊かです。
苦み・渋み・甘みの見分け方は? 苦みは舌の表面や奥で感じる味、渋みは口の中が乾いて引き締まる触感、甘みは口に含んだときや飲み込んだ後に返ってくる甘い味です。