用語:ネガティブな言葉——酸・カビ・こもり・粗老・刺喉・鎖喉・苦みがほどけない
味わうことは長所を探すことだけではありません。欠点を言葉にできてこそ、本当にそのお茶を分かったことになります。この一群のネガティブな言葉には、お茶そのものの欠点もあれば、保管や淹れ方によるものもあります。意味を知っておけば、何かおかしいお茶に出会ったときに、どこに問題があるのかを言葉にでき、どう対処すればよいかも分かります。
酸
どんなもの:茶湯や香りに酸っぱさが感じられること。
見分け方:
- かすかでさわやかな果実のような酸味:一部の生茶の風味で、欠点ではありません。
- 新しい熟茶のかすかな酸味:渥堆の名残りで、風通しよく 1~2 年保管するとよく抜けます。
- 鼻をつく、湿気を帯びた酸味:保管中に湿気を吸ったもので、欠点です。
例:湿った戸棚に置いていたお茶。開けると酸っぱくこもったにおいがし、淹れると水色が暗い。これが湿気による酸味です。
霉(カビ臭さ)
どんなもの:カビたパンや湿った壁の隅のような、鼻をつく古びたにおい。
どこから来る?:保管環境の湿度が高すぎ、風通しが悪く、茶葉にカビが生えた。乾いた茶葉の表面に、白、緑、黄色の綿毛のような斑点が見えることがあります。
カビ臭さと酸味の違い:
| カビ臭さ | 酸味 | |
|---|---|---|
| におい | 古びて鼻をつく、カビたもののよう | 酸っぱい。さわやかなことも鼻をつくこともある |
| 由来 | カビの繁殖 | 発酵の名残り、湿気の初期、風味そのもの |
| 消えるか | 消えない。変質している | かすかなものなら抜けることもある |
| おすすめ | 飲まないこと | 原因によって判断 |
カビの見分け方はカビの見分け方、陳香とカビ臭さの違いは倉庫のにおい・熟成香・カビ臭さをご覧ください。
悶(こもり)
どんなもの:風通しが悪くすっきりしないにおいで、閉め切った部屋や蒸し暑い衣装棚のような、あるいは野菜を蒸らしすぎたときのようなこもった感じ。
どこから来る?:製造時に広げて冷ますのが足りなかった、殺青後にすぐ冷まさなかった。保管時に密閉しすぎた。あるいは淹れるときにふたをずっと閉めていた。
消えるか:保管によるかすかなこもりは、風通しのよい環境にしばらく置けばよく抜けます。製造によるものは消しにくいです。
粗老
どんなもの:乾いた稲わら、古い葉、木くずのような粗いにおいで、味は淡く粗い。
どこから来る?:原料が硬めで、葉の繊維が多く成分が少ない。口当たりの粗さや、葉底の粗く硬い感じもよく伴います。
例:安い磚茶。葉が大きく硬く、淹れると干し草のにおいがし、湯は薄く粗い。これが粗老です。
木香との違い:木香は熟成後のすっきりした落ち着いた木の香り、粗老は原料そのものがもたらす干し草のような粗い感じです。
刺喉
どんなもの:茶湯を飲み込むとき、喉がちくちく、むずむずし、こすられるような感じがすること。
よくある原因:熟茶が渥堆を終えて間もない、発酵が不完全。湿気を吸った、保管が適切でない。茶湯が熱すぎる、濃すぎる。
消えるか:新しい熟茶の刺喉感は、しばらく保管するとよくなることが多いです。保管によるものは程度によります。
鎖喉
どんなもの:喉がつかまれて締めつけられるようで、飲み込んだ後に乾いて締まり、飲み込みにくいこと。
よくある原因:原料が太く硬い、製茶が適切でない(たとえば殺青不足)、収斂性の成分が多すぎる、あるいは保管中に雑味がついた。
刺喉との違い:鎖喉は「締めつけ」、刺喉は「ちくちく」。どちらもお茶を飲む人の喉を不快にさせます。詳しくは喉韻:飲み込んだその後をご覧ください。
苦不化(苦みがほどけない)
どんなもの:苦みがずっと舌の上にとどまり、飲み込んだ後もまだあって、いつまでも消えず、回甘も続いてこないこと。
「苦みのほどけが早い」との違い:よいお茶も苦いことはありますが、数秒で苦みが引いて回甘に変わります。苦みがほどけないのは、苦みが居座ってしまう状態です。
よくある原因:原料自体の苦みが強く長く続く。製茶が適切でない。淹れ方が濃すぎる、長すぎる。
例:同じお茶でも、5 秒で注ぎ出せば苦みがほどけ、1 分で注ぎ出すと苦みが舌の奥に居座って離れない。これは淹れ方による苦不化です。どう淹れても居座るなら、それはお茶の性質です。
そのほかのネガティブな言葉
- 渋みがほどけない:渋みがいつまでも引かず、飲むほどに口が乾く。
- 青味:生の青草のにおい。殺青不足。
- 煙焦:煙臭さや焦げ臭さ。殺青や乾燥の温度が高すぎた。
- 水味(水っぽさ):茶湯が水のようで、味がなじんでいない。
- 雑:香りや味にほかのにおいが混じり、純正でない。
- 異味(異臭):茶葉が外からのにおいを吸ったもの。たとえば防虫剤、油煙、香水。
- 炭化:熟茶の発酵が行き過ぎ、葉底が硬くもろく黒い。
これらの言葉の由来と対処は、雑味と欠点でさらに詳しく説明しています。
保管で消えるもの
| 欠点 | 保管後 |
|---|---|
| 新しい熟茶の堆味、かすかな酸味、刺喉 | 風通しよく 1~2 年保管するとはっきりよくなることが多い |
| かすかな倉庫のにおい、紙のにおい | 風に当てるとよく抜ける |
| かすかな煙臭さ | 数年でよく弱まる |
| カビ臭さ | 消えない |
| 粗老、炭化 | 消えない(原料と製茶で決まる) |
| 強い異臭 | 完全に消えるのは難しい |
よくある質問
鎖喉とは? 喉がつかまれたように締まって乾くことで、原料が太く硬い、製茶が適切でない、収斂性の成分が多すぎる、などがよくある原因です。
刺喉とは? 喉がちくちくむずむずし、こすられたような感じがすることで、渥堆を終えたばかりの新しい熟茶や、保管が適切でないお茶によく見られます。
苦みがほどけないとは? 苦みが舌の上にとどまっていつまでも消えず、回甘も続いてこないことで、お茶の性質のこともあれば、濃すぎる・長すぎる淹れ方のせいのこともあります。
粗老味とは? 乾いた稲わらや古い葉のような粗いにおいで、硬めの原料から来るものです。
カビ臭さと酸味の見分け方は? カビ臭さは古びて鼻をつくもので、変質のしるしです。酸味は風味や発酵の名残りのこともあり、鼻をついて湿気を帯びている場合が湿気によるものです。