カフェイン:生と熟、新しいお茶と古いお茶、淹れ方による違い
「熟茶はカフェインが少ないから夜でも飲める」。茶席でよく耳にする言葉です。ところが実際に測った結果は、少し違っています。この記事では数字だけを扱います。プーアル茶にどれくらいカフェインが含まれているか、生と熟、新と古でどれだけ違うか、一杯にどれだけ溶け出すか、そして淹れ方でどこまで調整できるかです。
プーアル茶のカフェインはどれくらいか
プーアル茶のカフェインはどれくらいか。 乾燥茶葉で約3%〜4%、つまり茶葉1グラムあたり約30〜40ミリグラムです。いくつかの研究の測定値は次のとおりです。
| 研究 | 生茶 | 熟茶 |
|---|---|---|
| 2026年 雲南大葉種の5種類のお茶の比較 | 36.43ミリグラム/グラム | 41.23ミリグラム/グラム |
| 2025年の文献レビューが引用したプーアル茶のデータ | — | 33.71ミリグラム/グラム |
同じ研究で白茶は37.35、紅茶は38.47ミリグラム/グラムで、プーアル茶と大差ありません。文献でも、お茶の種類ごとのカフェイン含有量は実はかなり近く、差は主に品種・季節・部位から来ると指摘されています。夏茶のカフェインはふつう春茶より多く、芽葉は古い葉より多めです。
換算してみると、8グラムの龍珠一粒の乾燥茶葉にはおよそ290〜330ミリグラムのカフェインが含まれています。ただしこれは茶葉の中の総量で、すべてが茶湯に溶け出すわけでも、一度に飲みきるわけでもありません。
熟茶は本当にカフェインが少ないのか
熟茶は本当にカフェインが少ないのか。 乾燥茶葉の含有量で見ると、少なくはなく、研究ではむしろやや多いほどです。
- 雲南農業大学の渥堆の研究:加工終了後、カフェインの含有量はある程度増えていました。
- 古い生茶と熟茶を比べた研究:熟茶はカテキンが減っており、カフェインはむしろ上がっていました。
- 上の表の研究:熟茶は41.23ミリグラム/グラムで、生茶の36.43ミリグラム/グラムよりやや高い値でした。
理由は、カフェインの構造がかなり安定しているからです。渥堆で茶ポリフェノール、アミノ酸、糖類が大量に消費されて茶葉全体の重さが減るため、カフェインの「割合」が相対的に上がるのです。
では、なぜ多くの人が熟茶を穏やかだと感じるのでしょうか。熟茶はカテキンが9割以上減っているので苦渋みがはっきり少なく、飲み口が柔らかいからです。けれどもそれはカフェインの量とは別の話です。詳しくは生茶と熟茶をご覧ください。
新しいお茶と古いお茶
長く保存したお茶では、カフェインが少しずつ減っていきます。0年・5年・10年・15年保存した熟茶を比べた研究では、カテキンもカフェインも年数とともに減っていました。ただしこれは10年単位のゆっくりした変化で、1〜2年の違いはわずかです。
淹れ方はカフェインにどう影響するか
淹れ方はカフェインにどう影響するか。 影響はとても大きく、多くの場合、生と熟の違いより大きくなります。2025年のある研究では、プーアル茶2グラムに200ミリリットルの湯を合わせ、茶湯中のカフェインを測定しました。
| 湯温 | 2分 | 5分 | 10分 |
|---|---|---|---|
| 80°C | 約13ミリグラム | 約25ミリグラム | 約38ミリグラム |
| 100°C | 約19ミリグラム | 約28ミリグラム | 約40ミリグラム |
(この研究のプーアル茶のサンプルは2種類だけなので、数字は傾向として見てください。)
法則ははっきりしています。
- 時間が長いほど多く溶け出す:2分から10分で、およそ2〜3倍に増えます。タイの研究でも、15分を超えて浸すと溶け出す速度が落ち、濃度が安定してくることがわかっています。
- 湯温が高いほど早く溶け出す:短時間ほど差がはっきりします。
- 茶葉が細かいほど早く出る:粉砕した茶葉はほぼ一瞬で放出され、ティーバッグは丸ごとの葉より早く出ます。
- 茶葉が多いほど総量も多い:これがもっとも直接的な変数です。
何煎も淹れるときの法則
蓋碗で何煎も淹れるとき、カフェインは最初の数煎に集中します。氷島の古樹の生茶5グラムを110ミリリットル・100°Cの湯で14回続けて淹れた研究(20秒から少しずつ延長)では、カフェインの溶け出しは3煎目以降に急速に減り、7煎目以降は前半より約4割少なくなり、14煎目にはすでにかなり低くなっていました。茶ポリフェノールはその間も比較的均等に溶け出していました。
つまり同じ一ポットのお茶でも、前半の茶湯はカフェインが多く、後半は少ないのです。煎ごとのリズムは一回分のお茶で何煎淹れられるかにあります。
水出し
低温ではカフェインがゆっくり溶け出すので、水出しは6〜8時間かけてゆっくり浸しますが、時間は長くても、同じ茶葉の量なら熱湯で淹れるよりカフェインは少ないのがふつうで、口当たりも甘めになります。作り方はプーアル茶の水出しにあります。
洗茶でカフェインは取れるか
洗茶でカフェインを取り除けるか。 いくらかは持ち去りますが、取り除くことはできません。カフェインは溶けるのが早いので、5〜10秒の洗茶でたしかに一部は流れますが、大部分は茶葉に残っており、続く数煎でそのまま溶け出します。洗茶の主な役割は、固く圧された茶葉を開かせ、表面のほこりや倉味を洗い流すことです。洗茶と醒茶をご覧ください。
一杯のお茶のカフェインを少なめにしたいなら、茶葉を少なめにする、早めに注ぎ切る、湯温を少し下げる、あるいは後半の茶湯を飲む、水出しにする、といった方法のほうが有効です。
プーアル茶一杯とコーヒー一杯の比較
プーアル茶一杯とコーヒー一杯を比べると。 米国農務省の食品成分データによれば:
- アメリカンのドリップコーヒー:100グラムあたり約40ミリグラム、240ミリリットルの一杯で約95ミリグラム。
- エスプレッソ:100グラムあたり約212ミリグラム、30ミリリットルの一杯で約64ミリグラム。
- プーアル茶:茶葉2グラムを200ミリリットルで淹れた場合、時間と湯温により約13〜40ミリグラム。
「一杯」で比べると、大きなカップで淹れたプーアル茶はふつうドリップコーヒー一杯より少なめです。ただし蓋碗で8グラムの茶葉を十数煎続けて淹れ、一日かけて飲むとなると、総量は何煎、どれだけ飲んだか次第です。
日常のお茶の時間帯に関するアドバイスはプーアル茶のカフェインと一日のお茶の時間にあります。
よくある質問
プーアル茶のカフェインはどれくらいですか? 乾燥茶葉で約3%〜4%、1グラムあたり約30〜40ミリグラムです。8グラムの龍珠一粒の乾燥茶葉には約290〜330ミリグラム含まれますが、すべてが溶け出すわけではありません。
熟茶は生茶よりカフェインが少ないですか? 少なくはありません。研究では渥堆後にカフェインの割合がやや増えています。熟茶は苦渋みが少なく、飲み口が柔らかいだけです。
プーアル茶一杯とコーヒー一杯、カフェインが多いのはどちらですか? プーアル茶2グラムを200ミリリットルで淹れると約13〜40ミリグラム、240ミリリットルのドリップコーヒー一杯は約95ミリグラムです。
洗茶でカフェインを洗い流せますか? ごく一部が流れるだけです。少なめにしたいなら、茶葉の量を減らす、時間を短くする、湯温を少し下げるほうが有効です。