伝統的な包装工程:綿紙、竹皮、竹かご
茶工場から出てきたプーアル茶の餅茶は、伝統的に何層もの包装を経ます。いちばん内側が一枚の綿紙、その外が竹皮、いちばん外側が竹かごです。素朴に見える素材ですが、数百年にわたり山あいでお茶を運び、保存してきた経験の積み重ねです。
一件のお茶の構成
| 層 | 素材 | 内容 |
|---|---|---|
| 一枚 | 綿紙 | 餅茶一枚を包み、茶名や工場名が印刷されている |
| 一筒 | 竹皮(竹箬)+竹ひご | 餅茶7枚を重ねて一筒に |
| 一件 | 竹かごまたは段ボール箱 | 12筒、約84枚 |
357グラムの円い餅茶で計算すると、一筒は約2.5キロ、一件は約30キロです。この数字は357グラムという重さの由来と関係があります。七子餅と357グラムをご覧ください。
なぜ綿紙で包むのか
綿紙は伝統的な手漉き紙で、雲南ではコウゾの樹皮などの植物繊維から漉くことが多く、繊維が長く、しなやかで、通気性があります。餅茶を包むのには次のような利点があります。
- 通気性:プーアル茶は空気に触れることでゆっくり変化します。綿紙ならお茶を蒸らしてしまいません。
- 湿気の緩衝:周囲の湿度が上下しても、紙自体が少し水気を吸い、変化をやわらげます。
- 保護と表示:餅茶の表面がこすれてはがれるのを防ぎ、茶名・工場名・商標を印刷することもできます。
伝統的な綿紙の文字は木版やシルクスクリーンで刷られたものが多く、インクが少しにじんでいます。これは古いお茶を見分ける手がかりの一つです。包み紙のさまざまな情報の読み方はプーアル茶の包装の見方にまとめています。
竹皮で筒を包む役割
竹皮は竹箬(ちくじゃく)とも呼ばれ、タケノコが育つときにはがれ落ちる皮です。乾燥すると丈夫で、表面はなめらかです。筒の包み方は次のとおりです。
- 綿紙で包んだ餅茶7枚を一本の柱のように重ねます。
- 数枚の竹皮で側面と両端を覆います。
- 細い竹ひご(竹の帯)で竹皮をしっかり縛り、一筒にします。
竹皮の役割:
- 衝撃から守る:運搬中、竹皮が殻のように餅茶の縁を守り、割れを防ぎます。
- 防湿と通気の両立:表面がなめらかな竹皮は水気をある程度防ぎつつ、完全には密閉しません。
- 固定:竹ひごで縛ると7枚の餅茶がしっかり柱になり、ゆるんでばらけません。
竹皮自体にもほのかな竹の香りがあり、長年保存した古いお茶には、ときに淡い竹皮の香りが感じられると茶好きは言います。
竹かごに詰める「件」の由来
伝統的には12筒を一つの竹かごに入れ、かごの内側にさらに竹皮を一層敷いて一「件」とします。この規格は運搬方法と関係があります。雲南のお茶はかつて馬隊が茶馬古道を通って四川・チベット・東南アジアへ運んでおり、馬一頭が左右に一件ずつ背負うことがよくありました。竹かごは軽く、丈夫で、通気性があり、揺れにも強く、馬の背に縛りつけやすかったのです。茶馬古道の物語は茶馬古道:馬の背で運ばれたプーアル茶でどうぞ。
「一件約30キロ、馬一頭で二件」という話は広く伝わっており、茶席の話題としては情景が目に浮かびますが、時代や地域によって実際の規格は必ずしも同じではありません。
内飛と内票
外側の包装のほかに、伝統的な餅茶には二枚の小さな紙が入っています。
- 内飛:圧製のときに餅茶の表面に埋め込まれる小さな紙片で、茶号や工場名が記されています。お茶と一緒に圧し込まれるため、すり替えが困難です。詳しくは内飛:餅茶に圧し込まれた小さな紙片をご覧ください。
- 内票:綿紙と餅茶の間にはさむ説明書きで、茶号の紹介や品質の説明が書かれています。
現代の包装の変化
- 竹かごから段ボールへ:ほとんどの茶工場は段ボール箱で件を詰めるようになりました。安く、積み重ねやすく、物流に便利です。
- クラフト紙や不織布の筒袋:竹皮の代わりにクラフト紙や不織布の袋で筒を包む製品もあります。
- 印刷がより華やかに:カラー印刷、箔押し、偽造防止ラベル、二次元コードがますます一般的になっています。
- 小分け包装とギフトボックス:小餅、龍珠、ティーバッグは箱や袋入りが多く、小売りや贈答に便利です。
- 一枚ずつの袋入れ:さらに透明袋やチャック袋に入れる製品もありますが、長期保存する生茶は、一般に完全密封はおすすめしません。
伝統的な包装がなくなったわけではありません。多くの茶工場の定番品や高等級のお茶は、今も綿紙・竹皮・竹かごを守っています。保存上の必要からでもあり、文化の継承でもあります。
ご家庭での包装の扱い
一筒まるごと買った場合は、竹皮と綿紙をそのまま残し、清潔で風通しがよく、光が当たらず、匂いのない場所に置くのがおすすめです。開けた餅茶は元の綿紙に戻し、紙袋や紙箱に入れてください。家庭での保存方法はプーアル茶の家庭での保存方法をご覧ください。
よくある質問
プーアル茶はなぜ綿紙で包むのですか? 綿紙は通気性があってしなやかで、餅茶を守り、湿度の変化をやわらげ、茶名や工場名を印刷するのにも便利だからです。
竹皮とは何ですか?何に使うのですか? タケノコからはがれた皮で、餅茶7枚を一筒に包み、衝撃から守って固定しつつ、通気性も保ちます。
一件のお茶はどれくらいですか? 伝統的には12筒で一件、一筒は7枚で、357グラムで計算すると一件は約30キロです。
竹皮の包装は外してもいいですか? 一筒まるごと保存するなら残しておくのがおすすめです。餅茶を守り通気性も保てます。飲むときに一枚ずつ取り出してください。