篩い分け・選別・黄片取り:毛茶が製品になるまで
天日で乾かした毛茶(もうちゃ)は、見た目にはもうお茶です。けれども一握りを机に広げてみると、長いもの短いもの、太いもの細いものが入り混じり、黄色い古葉や太い茎、ときには髪の毛や竹くずが一、二本混じっていることもあります。毛茶から美しい餅茶(へいちゃ)になるまでには、「精製」という工程があります。
精製とは
精製とは、一次加工を終えた毛茶を、規格の揃った清潔な原料に整える工程です。プーアル茶でよく行われる精製工程は次のとおりです。
- 篩い分け:篩(ふるい)で茶葉を太さ・長さごとに分けます。
- 風選:風の力で軽い葉くずや粉を吹き飛ばし、重みのある条索(じょうさく:よれた茶葉)を残します。
- 選別(揀剔):人の手や機械で黄片、太い茎、異物を取り除きます。
- ブレンド(拼配)(製品によって):等級や産地の異なる原料を割合を決めて混ぜ合わせます。
熟茶(じゅくちゃ)の精製は渥堆(あくたい)の後に行います。流れは似ていますが、渥堆中にできた茶葉の塊をほぐす作業も加わります。詳しくは出堆の後をご覧ください。
なぜ篩い分けるのか
一つのロットの毛茶でも、条索の大きさはかなりばらつきます。分けずに圧すと、細かい茶は底に沈み、粗い茶は上に浮き、淹れたときも最初の数煎と後の数煎で味が大きく変わってしまいます。篩い分けには次のような役割があります。
- 等級分け:柔らかい芽葉としっかりした葉を分け、異なる等級の製品にします。
- 撒面をしやすくする:細かく条索の美しい茶は餅茶の表面に使う「面茶(めんちゃ)」に、しっかりした茶は内側の「裡茶(りちゃ)」にします。
- 粉を除く:細かすぎる茶の粉は別に集め、ティーバッグなどの製品にできます。
篩い分けには円篩機と抖篩機(とうしき)がよく使われます。円篩は太さで、抖篩は長さで分けます。手作業では竹の篩で一段ずつふるいます。
選別では何を取り除くのか
選別は精製の中でもっとも人手のかかる工程で、主に次のものを取り除きます。
- 黄片:成長が進み、うまくよれなかった黄色い葉。詳しくは黄片:選り分けられた古葉をご覧ください。
- 太い茎と茶の実:太すぎる枝茎、茶の種、花のがく。
- 色の異なる葉:殺青や乾燥の不具合による焦げ葉や赤くなった葉。
- 茶以外の異物:竹くず、草くず、毛髪、小石など。
雲南の初製所や茶工場では、女性たちが長机に並んで座り、目の前に広げた毛茶を片手でかき分け、片手で選り分ける姿がよく見られます。多くの茶山で、摘採シーズン後のおなじみの光景です。大きな茶工場では色彩選別機も使われ、画像認識で色の違う黄片や茎を選り出します。
きれいに選るほど良いのか
一概には言えません。どんなお茶を作りたいかによります。
| しっかり選る | 一部を残す |
|---|---|
| 外観が整い、餅面が美しい | 外観はやや素朴 |
| 香りがまとまり、繊細 | 味わいが厚く、甘みが多い |
| ロスが大きく、コストが高い | ロスが少なく、価格は手ごろ |
| 高等級・単一原料のお茶向き | 日常のお茶・熟茶向き |
適度な茶梗はむしろ甘みとお茶の厚みをもたらすため、伝統的な配合の多くはもともと茎をある程度残しています。黄片も選り分けられるとはいえ、それ自体はおいしいお茶です。本当に取り除かなければならないのは、異物と明らかな不良葉です。
精製と等級
精製後の毛茶はいくつかの等級に分けられます。国営茶工場の時代には一級から十級で原料の等級を表すことが多く、数字が小さいほど柔らかい原料です。この等級は嘜号(マーク番号)にも書き込まれています。たとえば4桁の嘜号の3桁目は、伝統的に主原料の等級を表します。嘜号の付け方のルールもあわせてどうぞ。熟茶の散茶の国家標準では、特級と一級〜十級の計11等級に分かれています。
精製の後
精製した原料は、そのまま散茶として包装することもできます。緊圧茶にする場合は、計量・蒸し・圧製の工程へ進みます。詳しくはプーアル茶の圧製:蒸し、石型、機械圧と締まり具合をご覧ください。ブレンドする場合は配合に沿って混ぜます。ブレンド:配合の技もご参照ください。
餅茶から精製を見る
餅茶をこじ開けたら、餅面の条索が揃っているか、黄片が表に出ていないか、粉が多くないか、異物がないかを見てみてください。丁寧に精製されたお茶は、開けたときにきれいで層がはっきりしており、淹れたときも前半と後半の味わいが比較的そろっています。
よくある質問
精製とは何ですか? 毛茶を篩い分け・風選・選別・等級分けし、清潔で規格の揃った原料に整えることです。
なぜ篩い分けるのですか? 太さや長さを揃えることで等級分け・撒面・圧製がしやすくなり、淹れたときも前後の味が均一になりやすいからです。
選別では何を取り除きますか? 黄片、太い茎、茶の実、焦げ葉や赤い葉、そして竹くずや草くずなどの異物です。
茶梗が多いのは悪いお茶ですか? 一概には言えません。適度な茶梗は甘みと厚みをもたらし、多くの配合ではもともとある程度残しています。