ブレンド(拼配):配合の技
プーアル茶の世界には、一つの山、一つの村、さらには一本の木の「純料(単一原料)」しか飲まないという人もいれば、本当の腕の見せどころは「ブレンド(拼配)」だという人もいます。勐海茶廠の7542や7572といった定番の配合は、それ自体がブレンド茶です。
ブレンドとは
ブレンドとは、二種類以上の原料を割合を決めて混ぜ合わせ、一つのお茶に仕上げることです。原料の違いには次のようなものがあります。
- 産地:たとえば勐海の力強さ、臨滄の甘く柔らかな味わい、易武のなめらかさ。
- 等級:柔らかい芽葉と、しっかりした葉。
- 季節:春茶の厚みと秋茶の香り。
- 年代:新しい原料の生き生きした感じと、寝かせた原料のまろやかさ(熟茶でよく見られます)。
- 生と熟:生茶(なまちゃ)と熟茶を混ぜたものが「生熟ブレンド」です。
これと対になるのが、単一の産地の原料だけを使う「純料」です。それぞれの呼び方と定義は純料・ブレンド・山頭茶・単株をご覧ください。
なぜブレンドするのか
味わいのバランスをとる
単一産地のお茶には、はっきりした長所と同時にはっきりした短所もあります。香りの高いお茶は水色が薄く感じられたり、厚みのあるお茶は苦かったり。いくつかの原料を割合を決めて合わせることで、香り・甘み・厚み・煎の持ちをより整ったものにできます。
どのロットも同じ味にする
お茶は農産物です。同じ山頭でも、年ごとに天候・雨量・摘採時期が異なります。単一の産地だけを使うと、今年と来年でお茶がかなり違ってしまうこともあります。茶工場はブレンドで差を補い、同じ配合を毎年近い風格に保ちます。これこそがブランド茶にとってもっとも大切な力です。
価格を適正にする
名山の古樹原料は量が少なく高価です。ブレンドによって、無理のないコストでおいしく、煎が持ち、日常に向くお茶を作ることができます。
ブレンドの考え方
やり方はメーカーによって異なりますが、よくある考え方は次のとおりです。
- 風格を決める:まず、甘く柔らかいお茶にするのか、力強いお茶にするのか、香り高いお茶にするのかを決めます。
- 骨格を選ぶ:一つの原料を主体に据え、お茶の厚みと個性を支えます。
- 足りない部分を補う:ほかの原料で香り・甘み・煎の持ちを補います。
- 割合を試す:少量のサンプルで試し淹れをして割合を調整し、何度も繰り返すことがよくあります。
- 保存を見越す:生茶なら数年後の姿を、熟茶なら発酵度の組み合わせを考えます。
伝統的な配合では「撒面(さつめん)」にもこだわります。柔らかく美しい原料を餅面に、しっかりして力のある原料を内側に入れるのです。
ブレンド茶はどうやってロットごとの一貫性を保つのか
- サンプルを残して比べる:毎ロットの製品のサンプルを保管し、新しいロットをブレンドするときに照らし合わせます。
- 原料の在庫:茶工場は複数の産地・等級の原料を用意し、今年出来の違う原料があれば、ほかの原料で調整します。
- 審評でのチェック:審評師が同じ方法で茶を淹れ、香り・味・水色・葉底を比較します。
- 配合は固定ではない:割合は原料に合わせて微調整されます。目標は重量比を一字一句同じにすることではなく、「飲んで同じ」にすることです。
ブレンドと混ぜ物の違い
ブレンドは職人技、混ぜ物はごまかしです。両者の違いは「きちんと説明しているかどうか」にあります。
| ブレンド | 混ぜ物 | |
|---|---|---|
| 目的 | 風味のバランスと品質の安定 | 安い原料を高い原料と偽る |
| 表示 | ブレンド茶・配合茶であることを明記 | 純料や名山をうたいながら、実際は他の原料を混ぜる |
| 原料 | すべて基準に適合したプーアル茶原料 | 他地域の茶や晒青でない原料が混じることも |
たとえば「勐海ブレンド」と明記したお茶に複数の村の原料が使われているのは、ごく普通のブレンドです。一方で「老班章 純料」と表示しながら、実際には周辺の村のお茶を大量に混ぜていれば、名と実が一致しません。お茶を買うときは、明確な表示と信頼できる売り手がいちばん大切です。純料かブレンドか:自分に合うのはどちらもご参照ください。
定番のブレンド茶
勐海茶廠の7542(生茶)と7572(熟茶)、昆明茶廠の7581磚茶、下関の沱茶は、いずれもブレンドによって築かれた定番です。これらの嘜号の背景にある物語は、7542・8582・7572:プーアル茶の定番嘜号の物語でお読みいただけます。
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よくある質問
ブレンドとは何ですか? 産地・等級・季節・年代の異なる原料を割合を決めて混ぜ、バランスのとれた風格と安定した品質のお茶に仕上げることです。
ブレンド茶は純料より劣りますか? 一概には言えません。ブレンドは配合の技であり、定番のお茶の多くはブレンド茶です。純料は個性を、ブレンドはバランスを重視します。
ブレンド茶はどうやってロットごとの一貫性を保つのですか? サンプルの比較、多種類の原料在庫、審評によって、原料の状態に合わせて割合を微調整します。
ブレンドと混ぜ物の違いは? ブレンドは配合茶であることをはっきり表示します。混ぜ物は安い原料を高い原料と偽るものです。