飲み比べ・ブラインドテイスティング・テイスティングノート
お茶の上達は、たいてい高いお茶を飲んだからではなく、「比べた」ことから生まれます。一つのお茶だけを飲むと、何もかもよく思えるもの。別のお茶と並べれば、香りの高低、湯の厚み、回甘の速さが、たちまちはっきりします。飲み比べ、ブラインドテイスティング、テイスティングノートは、シンプルですが確かな手応えのある三つの練習です。
何種類かのお茶を同時に比べるには
基本の原則はただ一つ。お茶以外の条件をすべて同じにすることです。
- 同じ道具:同じ蓋碗か審評杯を二つ、茶杯も同じ白磁のものを使います。
- 同じ茶葉の量:はかりを使い、0.1 g まで正確に。たとえばそれぞれ 3 g か 5 g。
- 同じ水:同じポットの熱湯を、同時に注ぎます。
- 同じ時間:同時に計り、同時に注ぎ出します。
- 同じ順番:まず水色、次に香り、それから飲み、最後に葉底を見ます。
最も手軽なのは審評の方法を借りることです。茶葉 3 g、熱湯 150 ml で、1 回目は 2 分、2 回目は 5 分。詳しくは審評の標準手順をご覧ください。何煎楽しめるかを見たいなら、蓋碗で普段の淹れ方のまま 6~8 煎続けて比べることもできます。
比べるときの注意点
- 温度をそろえる:先に注いだ杯から冷めていくので、交互に飲みます。
- 順番を入れ替える:先に飲んだお茶は高く評価されたり低く評価されたりしやすいので、二巡目は順番を変えます。
- 口をすすぐ:一つごとに白湯を一口飲むか、味のないクラッカーを一切れ食べます。
- 環境を清潔に:香水をつけない、油煙のそばで飲まない。
- 結論を急がない:少なくとも三煎は飲んでから判断します。前半は平凡で、後半になって光るお茶もあります。
- 吐き出すか飲み込むか:一度にたくさん比べるときは、少しずつ味わって吐き出し、飲みすぎを防ぎます。
生茶と熟茶を一緒に比べてもいい?
同じ席で飲むのは構いませんが、互いに点数をつけ合うのはおすすめしません。生茶と熟茶は二つの異なる道で、香り、水色、味の基準がそれぞれ違います。生茶はフレッシュさ、香り、苦渋みがほどけるかを、熟茶はまろやかさ、甘い潤い、堆味がないかを見ます。生茶の基準で熟茶を評価したり、その逆をしたりするのは公平ではありません。
比べるなら同じ種類どうしが一番です。新しい生茶は新しい生茶と、熟茶は熟茶と、熟成生茶は熟成生茶と。どうしても同じ席で生茶と熟茶を飲むなら、生茶が先で熟茶が後、淡いものが先で濃いものが後、新しいものが先で古いものが後の順にしましょう。熟茶のまろやかさが生茶の細部を覆ってしまわないようにするためです。生茶と熟茶の違いは生茶と熟茶をご覧ください。
一度に何種類飲むのがいい?
- 入門:2 種類。違いが最もはっきりし、疲れにくいです。
- 少し慣れたら:3~4 種類。たとえば同じ産地の違う村、同じお茶の違う年のもの。
- 専門の審評:一度に十数種類以上も可能ですが、訓練と吐き出しが必要です。
家で練習するなら、3 種類がたいてい上限です。味覚も嗅覚も疲れるので、五つ目、六つ目になると、最初のほうの印象がぼやけてしまいます。
テイスティングノートに書くこと
シンプルなノートなら、次の項目があれば十分です。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 基本情報 | 茶名、生茶か熟茶か、年、産地、購入先 |
| 淹れた条件 | 茶葉の量、水の量、湯温、道具、一煎ごとの時間 |
| 乾いた茶葉 | 条索が締まり、墨緑に黄色を帯びる |
| 水色 | 1 煎目は淡い金色、明るい |
| 香り | 熱いうちは蜜の香り、冷めてもまだ甘い |
| 味 | 苦みは軽く、甘みがはっきり、湯の厚みは中程度 |
| 口当たり・余韻 | 回甘が速く、両頬に生津 |
| 葉底 | 黄緑、やわらかく弾力がある |
| ひと言 | 「甘くすっきり、午後に飲みたい」 |
審評報告のように書く必要はなく、自分の言葉で構いません。大切なのは条件をはっきり書いておくことで、そうすれば次に比べられます。水色と葉底をスマートフォンで撮って、ノートに添えておくのもよいでしょう。
ブラインドテイスティングのやり方
ブラインドテイスティングは、名前も包装も見ずに感覚だけで判断するもので、「先入観」を避けるのに一番役立ちます。
- 家族や友人に手伝ってもらい、2~3 種類のお茶をそれぞれ量って杯の底に番号を貼り、どれがどのお茶かは教えてもらいません。
- 同じ条件で淹れて比べます。
- それぞれの印象を書き、どのお茶か、どの産地か、どの年かを当ててみます。
- 最後に答え合わせをして、自分のノートと照らし合わせます。
ブラインドテイスティングでは驚くことがよくあります。高いと思っていたお茶がそれほど際立っていなかったり、手ごろなお茶がとてもおいしかったり。それこそがブラインドテイスティングの価値です。
山を飲み分ける練習
山を見分けられるようになるのは多くの茶好きの目標ですが、最も難しいことでもあり、ベテランの茶人でもよく外します。現実的な練習法は:
- まず基準を作る:出所のはっきりした産地を代表するお茶を一つか二つ見つけ、繰り返し飲んで、その香りと味の特徴を覚えます。
- 二つずつ比べる:たとえば勐海と易武、氷島と昔帰を並べて飲み、最もはっきりした違いをつかみます。
- 条件をそろえる:できるだけ同じ年、同じ季節のお茶を比べ、年の違いを産地の違いと取り違えないようにします。
- ブラインドで確かめる:慣れてきたら、ブラインドテイスティングで自分を試します。
季節、樹齢、製茶、保管はどれも風味に影響することを忘れずに。「ある産地らしいスタイル」を飲み分けられるだけでも大したもので、村まで正確に当てようと無理をする必要はありません。各産地のスタイルは産地ごとの風味をご覧ください。
よくある質問
何種類かのお茶を同時に比べるには? 同じ道具、茶葉の量、水、時間、順番で。たとえばそれぞれ茶葉 3 g、熱湯 150 ml で、同時に注いで同時に注ぎ出します。
一度に何種類飲むのがいい? 入門なら 2 種類が最もはっきりし、慣れたら 3~4 種類。5 種類を超えると味覚が疲れやすくなります。
生茶と熟茶を一緒に比べてもいい? 同じ席で飲むのは構いませんが、基準が違うので互いに点数をつけるのはおすすめしません。同じ席なら生茶が先、熟茶が後、淡いものから濃いものへ。
テイスティングノートに書くことは? お茶の基本情報、淹れた条件、それに乾いた茶葉、水色、香り、味、余韻、葉底をそれぞれ一、二文。最後にひと言でまとめます。
ブラインドテイスティングのやり方は? 人に手伝ってもらってお茶に番号をつけ、包装を見ずに感覚だけで比べ、判断を書いてから答え合わせをします。