同じお茶なのに、なぜ毎回味が違うのか
茶好きの多くが、こんな経験をしています。茶舗で飲んでとても気に入ったのに、家に持ち帰って淹れるとどうも違う。同じ袋のお茶なのに、昨日はおいしく、今日は普通。お茶が心変わりしたわけではなく、たいていは何かの条件が変わっているのです。
なぜ前回はおいしくて今回はおいしくないのか
お茶を淹れるときの要素はたくさんあり、どれか一つが違えば味も変わります。
| 要素 | 起こりうる違い |
|---|---|
| 茶葉の量 | 1~2 g の差で、濃さははっきり変わる |
| 湯温 | しっかり沸騰させたか、器を温めたかで 5~10°C の差 |
| 時間 | 一煎ごとに数秒長いか短いか |
| 水 | 茶舗の水と家の水では硬度が違う |
| 道具 | 蓋碗、紫砂壺、マグカップで保温性とにおいの吸いやすさが違う |
| 茶葉の部位 | 餅茶一枚の中でも、表面の茶(面茶)と内側の茶(裏茶)、縁と中心で原料が違う |
一番確かな方法は、毎回の淹れ方の設定を書き留めておくことです。茶葉の量、器、湯温、時間、使った水。おいしく入った回があれば、どう淹れたのかが分かります。
水・器・気分の影響
水
水の硬度は水色と香りに影響します。軟らかめの水で淹れると香りがはっきりして口当たりがなめらかに、硬めの水では水色が暗く香りが引っ込みます。茶舗ではおいしかったのに家では違う、という場合、水が主な原因であることがよくあります。お茶を淹れる水をご覧ください。
器
紫砂壺は保温性がよく茶湯がまろやかに、白磁の蓋碗は冷めるのが早く香りがはっきりと、マグカップは長く浸けると濃く苦くなりがちです。同じお茶でも器を替えれば、スタイルが変わります。
口の状態と気分
味覚も変わります。味の濃いものを食べた直後、歯磨きの直後、コーヒーを飲んだ後では、舌の苦みや甘みの感じ方が違います。疲れているときは香りの感じ方も鈍くなります。静かにくつろいで座って飲むのと、仕事をしながら飲むのとでは、記憶に残る味も違います。あるお茶をじっくり味わいたいときは、まず白湯を一口飲んで口をすっきりさせてから始めましょう。
お茶は置いておくと変わる?
変わります。プーアル茶は変化していくお茶です。
- 生茶:保管中に苦渋みが少しずつやわらぎ、香りは花や蜜の香りから蜜の香り、熟成香へと移っていきます。半年後、一年後に飲めば違っているかもしれません。
- 熟茶:出荷したての堆味が少しずつ抜け、口当たりがなめらかになります。
- ほぐしたお茶:空気に触れやすく、香りの変化は餅茶のままより早くなります。ほぐしたばかりのお茶と、一週間醒茶したお茶でも味が違います。
- 保管が適切でない:異臭や湿気を吸うと、味が崩れてしまいます。
ブレンドとロットの違い
プーアル茶の多くはブレンド茶(拼配茶)です。茶廠は産地、等級、季節の異なる原料を配合に沿って混ぜ合わせ、風味を安定させます。配合が同じでも、年や生産ロットが違えば原料には差があるので、同じ嘜号(マイハオ、配合番号)でも年が違えば、まったく同じ味にはなりません。単一原料のお茶(純料茶)も同じで、春茶と秋茶、今年と去年では天候が違うので、味に差が出ます。
ブレンドの説明はブレンド:配合の技、ロット番号はロット番号をご覧ください。
餅茶一枚の中の位置の違い
餅茶の「面茶」には細く若い見栄えのよい原料が、「裏茶」にはやや太くしっかりした原料が使われることがよくあります。縁、中心、表面のどこをほぐしたかで、淹れたときの濃さや香りが違ってきます。ほぐすときは一回分を同じ区域から、表面と内側を少しずつ含めて取ると、平均的になります。プーアル茶の餅茶のほぐし方をご覧ください。
安定した味で淹れるには
- 茶葉の量を固定する:0.1 g 単位のスケールを使う;
- 道具を固定する:同じ蓋碗を使う;
- 水を固定する:同じ水を、しっかり沸騰させる;
- リズムを固定する:タイマーで一煎ごとに記録する;
- 感じたことを書く:香り、甘さ、苦渋み、回甘。
3 回記録すれば、お茶が変わったのか、淹れ方が変わったのかが見分けられます。テイスティングノートのつけ方は飲み比べ・ブラインドテイスティング・テイスティングノートをご覧ください。
よくある質問
なぜ前回はおいしくて今回はおいしくない? 茶葉の量、湯温、時間、水、道具、ほぐした部位の違いは、どれも味を変えます。毎回の設定を書き留めておくと、原因が一番見つけやすくなります。
水・道具・気分は本当に影響する? します。水の硬度は水色と香りに、道具は保温性とにおいの吸いやすさに、口の状態と集中度は感じ方に影響します。
お茶は置いておくと変わる? 変わります。生茶は少しずつやわらぎ、熟茶は堆味が抜け、ほぐしたお茶は香りの変化がより早くなります。
同じお茶でもロットが違うと味が違う? 違います。配合が同じでも、原料の年、季節、天候が違えば、風味に差が出ます。