鎮沅の千家寨:野生茶樹王
「最も古い茶樹」の話になると、よく耳にする名前があります。千家寨です。西双版納でも臨滄でもなく、普洱市鎮沅県の哀牢山の奥深く、人の手で栽培された跡のない原生林の中にあります。
千家寨はどこにあるか
千家寨は雲南省普洱市鎮沅イ族ハニ族ラフ族自治県九甲鎮和平村にあり、哀牢山国家級自然保護区の範囲内です。地元の文物名録に登録された位置は「九甲鎮和平村大石房組」で、おおよそ北緯24.3度、東経101.26度。鎮沅の県城を出てから、さらにしばらく山道を進まなければたどり着けません。
ですから、**千家寨は哀牢山にあるのか、と問われれば、答えはイエスです。**哀牢山の中ほど、鎮沅県側の原生林の中にあります。哀牢山は雲南中部を走る長さ約450キロの大きな山脈で、その紹介は景東と無量山にあります。
名前の由来
千家寨という名前は茶王樹より古くからあります。山中には清代の「千家寨遺跡」があり、鎮沅県の文物保護単位になっています。地元に伝わる話によれば、清代にイ族の蜂起軍がここに駐屯し、人が千戸にものぼるほど多かったことから、この名が付いたといいます。これは地元の伝説で、細部は人によって語り方が異なるので、話半分に聞いておくのがよいでしょう。
千家寨の野生古茶王樹
鎮沅県は「千家寨野生古茶王樹1号・2号」を県級文物保護単位に登録しています。一本の木が文物として保護されるのは、茶業界ではあまり例がありません。
茶王樹についてよく引用される数字は次のとおりです。
- 樹高:1号樹は約25メートル前後。
- 標高:標高約2,400メートル余りの森の中に生えています。
- 樹齢:推定約2,700年、2号樹は約2,500年。
これらの数字の多くは地元の調査やメディアの転載によるもので、樹齢は特に推定値です。野生の大木の年齢を正確に測るのは難しく、推定方法が違えば結果も大きく違ってきます。ですから「数千年」と見かけたら、「とても古い」という意味に受け止めるのが最も適切です。樹齢の判断方法は茶樹の樹齢はどう判断するかと「千年の古樹」「万年の野生」:数字は信じられるかをご覧ください。
野生型の茶樹とは
千家寨の茶王樹は「野生型」に属します。原生林の中に生え、人の手による栽培や選抜を経ておらず、樹形は高く大きく、花、実、葉の形により原始的な特徴を残しています。これは、景邁山や氷島のように、祖先が植えて代々世話をしてきた「栽培型」の古茶樹とは異なります。
植物学上、雲南の野生の大茶樹の多くは大理茶(Camellia taliensis)の仲間に分類されており、プーアル茶に最もよく使われる雲南大葉種(アッサム変種)とは近縁ですが、同じ種ではありません。千家寨の茶王樹が分類上どこに入るかについては、研究者の間でも見解が分かれています。三種類の茶樹の違いは野生型、過渡型、栽培型と野生茶:C. sinensisではない「茶」たちをご覧ください。
千家寨の野生茶は飲めるのか
二つに分けて考えます。
- 茶王樹そのもの:文物として保護されている茶王樹は、保護と研究のためのもので、茶葉を摘んで餅茶にするためのものではありません。市場で「千家寨の茶王樹から採ったお茶」と言われたら、もう一度確かめてみましょう。
- 千家寨一帯の野生茶:保護区の周辺では野生の茶樹の葉を摘んでお茶を作る人がいて、千家寨野生茶と呼ばれています。このようなお茶は成分も味わいも栽培大葉種とは異なり、苦渋が少なく、水色が淡く、独特の野山の香りを帯びているとよく言われます。
野生茶は品種も摘み方もさまざまで、国家基準のいう「雲南大葉種」に含まれるかどうかについても、茶業界には異なる見解があります。試してみたいなら、包装の表示がはっきりしていて出どころを説明できる製品を選び、まずは少量を買って試し、口に合えばそれから考えるとよいでしょう。
鎮沅のほかの茶の話題
鎮沅には千家寨のほかにも、茶にまつわる文物がいくつかあります。振太鎮の河頭古茶樹(明代)は県級文物保護単位で、和平鎮の哀牢山茶馬古道と恩楽鎮の茶馬古道遺跡は、全国重点文物保護単位「茶馬古道」に含まれています。鎮沅はプーアル茶の地理的表示の保護範囲内にある県で、茶園の多くは哀牢山と無量山の間の山地に分布しています。
ほかの茶王樹と比べてみる
| 名木 | 場所 | タイプ |
|---|---|---|
| 千家寨の茶王樹 | 普洱市鎮沅県九甲鎮 | 野生型 |
| 邦崴古茶樹 | 普洱市瀾滄県 | 過渡型 |
| 南糯山の茶王樹 | 西双版納勐海県 | 栽培型(枯死) |
ほかの名木は茶王樹と名木をご覧ください。
よくある質問
Q:千家寨はどこにありますか?
A:普洱市鎮沅県九甲鎮和平村にあり、哀牢山国家級自然保護区の中に位置しています。
Q:千家寨の茶王樹はどれくらい古いのですか?
A:よく言われるのは約2,700年、2号樹は約2,500年です。これは推定値で、正確に測定した年齢ではありません。
Q:千家寨は哀牢山にあるのですか?
A:はい。哀牢山の中ほど、鎮沅県側の原生林の中にあります。
Q:千家寨の野生茶は飲めますか?
A:茶王樹そのものは保護されていて摘まれません。周辺の野生茶は作って売っている人がいますが、味わいは栽培茶と異なります。出どころのはっきりした製品を選び、まず少量を試してみることをおすすめします。